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島崎智子 インタビュー
THEWATTERインタビュー 2/2
2013.12.12 writer:sakanastyle
――僕は何の予備知識もなくWATTERのライブを観て「あっ!かっこいいな!」って思ったのが最初だったから、経歴とかぜんぶ後追いで知ったんですが、シガさんは「ミッシェル・ガン・エレファント」でギターを弾かれていらっしゃったんですね?
シガ ミッシェルは、大学ん時、もともとチバ君と同じ音楽サークルで。初めバンドを組まされるじゃないですか?サークルん中で初期パンとか好きなのは僕とチバ君しかいなくて、「ダムド好きなの?」とか言って一緒にやるようになったのがきっかけかなあ。その時、ベースがフュージョンのやつで、ドラムはヤマハドラムスクールに通ってた奴だった(笑)。
――すごいアンバランスですね(笑)
シガ その頃は学校の中でライブとかやって、2年くらい一緒にやってたのかな?そうそう同じサークルにフィッシュマンズが先輩でいたんですね。で、彼らがすごい人気になってきて、なんかサークルの中がすごい盛り上がってきて。まだライブハウスとかも今ほど多くなかったし、「外のライブハウスでもできんじゃねえの?」とか言って(笑)それで恐る恐る新宿JAMとか下北沢の屋根裏とかに出だしたんすよ。
――同じサークル内にフィッシュマンズとミッシェル・ガン・エレファントが同時期に在籍してたって、考えたらすごいことですね。確か「おとぎ話」も後輩じゃないですか?下北沢だとQUEとかにも出られてたんですか?
シガ そうそう「おとぎ話」は後輩ですね。まだQUEもなくて。当時はまだQUEの店長が屋根裏のスタッフだったのかな?フィッシュマンズはもうメジャー契約をしたんですよ、当時僕らがまだ大学在籍中に。「ドカーン」って売れてはいないけど、着々と渋谷~下北沢界隈のオシャレシーンに評判が轟くみたいになってきて、ジワジワとくるみたいな売れ方だった。そうなってくると今まで外でやろうとか思ってなかったんだけど、全然自分達でもできるじゃん?ってなって。高円寺の「20000ボルト」とか下北沢の「屋根裏」とかでもやるようになって。
そうこうしているうちに、あのリズム隊が入ってきたんですね。
――クハラさんとウエノさんですか?
シガ そうです。キューちゃんとウエノ君は隣のサークルにいたんですよ。大学内にサークル派閥があって、本当は一緒にバンドをやっちゃいけなかったんですけど。ひんしゅくを買うみたいな?(笑)だけど、なんかサークル合同飲み会かなんかで「一緒にやろうよ!」ってキューちゃんが言ってきて「おう!」ってなって、すぐフュージョンのベーシストとヤマハスクールのドラマーをチバ君とクビにして(笑)バンドってやっぱリズム隊じゃないすか?そんで入れたらすごいバッチリで、安定感がぜんぜん違うなあ、みたいな?それで屋根裏とかでやってるうちに人気が出てきた感じですね。そうそう、THEピーズが大体屋根裏だったんですよ、当時のホームが。ピーズもメジャーだったけど屋根裏では演るみたいな?ピーズの取り巻きのお客さんがいて、うちのお客さんとも段々かぶってきて。ピーズとかピロウズとかにも紹介してくれて、UKプロジェクトが「CD出してあげるよ」って声かけてきてくれて、一枚ライブ盤を出したんですね。それが「MAXIMUM! MAXIMUM!! MAXIMUM!!!」ってCDなんですけど。
タクロウ 僕からすると、シガ君てなんかこう「風」のような感じなんですね。たとえば僕が毒づいて拗ねて、ダメな精神状態の時に、シガ君は「そんなことは気にしなくても過ぎてくから」「とりあえずやってけばいいんじゃない?」みたいな、軽いパスをくれるんですよ。
シガ いやいや本当はそういう奴ではないんだよ(笑)
タクロウ いや、それも分かってるんですけど(笑)。「MAXIMUM! MAXIMUM!! MAXIMUM!!!」の歌詞カードに写真がのってるんですけど、シガ君は金髪でツンツンで、サングラスかけてて(笑)
シガ 僕、もともとが博多っ子だったからさ。基本、明太ロックなんですよ(笑)チバ君と最初にミッシェルガンをやった時も「ルースターズ」をチバ君が好きだったから。僕が「博多から来たっちゃ!」とか言うと「うおー!かっこいい!もっと博多弁しゃべって!」みたいな(笑)デブでさー、暴れハッチャクみたいな感じで(笑)
――ええ!?チバさんがですか?
シガ そうそう、よく牛丼食っててさ(笑)。当時はすごいガキ大将みたいな感じで、今みたいな感じでは全然なかった。それで最初はもっと明るいバンドだったんですよ。で、途中から二人でドクターフィールグッドがすごい好きになって、フィールグッドってパロディというか、すごい洒落が効いてるバンドじゃないすか?そんな感じでやってたらミッシェルもなぜか屋根裏とかで人気が出てきて。チバ君はやっぱ当時から凄かったんだなあとか今になって思うけど、僕はその時は全然思わないで「なんか今日人がいっぱいいるなあ」とか思っていて。なんにも僕は練習とかしてなくて、でもCD出すときにやっぱり練習しなくちゃみたいになって、すごい練習したけどすごい下手で。で、結構荒んだ暮らしをしてて、僕6年間大学にいて、取った単位が20ぐらいなんですよ(笑)悪いことばっかりしてて、暗黒な世界、
タクロウ シガ君のジャンキー時代の話がまた面白いんですよ。ひどいジャンキーだったしいですよ。まわりの人から聞くのは、シガ君がヤク中になったからミッシェルをクビになったらしいよ(笑)とか。でも本当のところを志賀くんに聞くと、ミッシェルがすごいダークな方に行きだして「スモーキンビリー」とか暗い方にいったから、「僕、明るいほうが好きだから辞める」って。
――ご本人的に真相はいかがですか?
シガ そうですね。そういう暗黒世界から足を洗わないと、俺ヤバイなっていよいよなってきちゃって、それで生活を立て直そうと思って結婚したんすよ。で、しっかりギターを練習するようになって、前の悪い友達とかとも付き合わないっていうふうに自分を追い込んで。若いしストイックな生活をしているから、ちょっとでもメンバーが自分が気に入らないことをすると「そうじゃねえだろう!!」みたいな性格になっちゃって、それでバンド(ミッシェル)がどんどんシリアスな方向に変わっていっちゃったのも嫌で、それで「もう俺、軽いバンドやるからやめるわー!!」って言って辞めちゃったんですね。そしたらネコ13匹と6畳一間で生活する暮らしになって、猫の糞まみれになって、寝っ転がって起きたら背中にゴキブリの死骸が張り付いてたり(笑)
――ミッシェルを脱退されてから、生活や環境がガラッと変わったんですね?
シガ そう、だから真相は自分で辞めたんです、本当に。一応、表向きな理由としては「結婚するから辞める」っていうのがいいと思って。だから僕がいたときは普通のアマチュアのインディーズバンドでライブ盤を一枚出しただけ。一番大きいステージがクアトロだったかなあ。とにかくそのレベルで。その後にあまりにも売れちゃったから「元ミッシェルガン」とか言われるけど、僕の実感としては、ただの普通のアマチュアバンドで辞めたから、みんなの思いとは常にズレがあって。
――今でもチバさん達とはお会いされたりしますか?
シガ チバ君達とは、あれ以来10年ぐらいは全然会わなかったから、僕も意地になってて。ここ数年ですね。またちょこちょこ会うようになって、ちょっと前に久しぶりに楽屋で再会したら、ぜんぜん変わってなくって。なんとも言えないですよね。こないだもWATTERのシングル出したらお店のポップに「元TMGEの」と書かれてて正直微妙な感じではありますね。
――そういうのはメンバーとしても複雑な心境だとは思いますが、最後にTHEWATTERとしてコメントをいただけますでしょうか。
タクロウ 今のところバンドがあまりにも違うから、イメージが被んないですよね。
それこそミッシェルとかブランキーとか好きな人たちが、それがきっかけで、THEWATTERのCDを買ってくれて、「あっ!!こういうのもいいなっ」って僕らを知ってくれる人がいたらいいなって思いますけどね。(終)
【THEWATTER】吉祥寺での出会いをきっかけに、2008年に結成された男性4人組ロックバンド。新宿LOFT、下北沢CLUB Que、東高円寺UFO
2013年7月、5周年記念アルバム 「あまいゆめ」 リリース 。 2012年両A面デビューシングル「吉祥寺サンダー/2009」より1年。ロックアレンジのバンドRECはもちろん、アコースティックアレンジへもアプローチした今作。表題曲「あまいゆめ」の他、ライブ定番曲、新曲を収録した計8曲。THEWATTERの成長をうかがえる渾身の一枚。ライブ会場にて発売中。
■【THEWATTER】オフィシャルサイト
http://thewatter.web.fc2.com/
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